いじめの「重大事態」とは
2016年4月25日|教育情報
いじめ防止対策推進法の第28条で、いじめの「重大事態」とは,①「児童等の生命,心身又は財産に重大な被害が生じた疑いがあると認めるとき」、②「相当の期間学校を欠席することを余儀なくされている疑いがあると認めるとき」と定められています。「重大事態」が発生した場合は、学校、教育委員会は速やかに事実を調査しなければならないことになっています。
文科省では具体的に、児童生徒が自死を企図した場合、身体に重大な傷害を負った場合、金品等の重大な被害を被った場合、精神性の疾患を発症した場合、また、相当の期間学校を欠席することについては、年間30日を目安とし、一定期間連続して欠席しているような場合などを想定しています。
なお,調査の結果は自治体の長にも速やかに報告し,対応策を講じなければならないことになっています。
さて、文科省の第3回いじめ防止対策協議会が平成27年12月2日に行われ、いじめ防止対策推進法第28条規定の「重大事態」に関する平成26年度の調査結果が明らかにされました。それによると,いじめにより子どもの生命,心身または財産に重大な被害が生じた件数は93件もありました。内訳は▼自殺5件、▼自殺未遂13件、▼身体への傷害23件、▼精神性の疾患の発症21件などで,学校種別では小学校26件,中学校42件,高校25件です。
いじめは、春と秋がピークという調査結果も出ています。いじめはあって当たり前、次代を担う子どもたちの人生がいじめによって狂わされないように、感覚を研ぎ澄ませ早期発見に努めるとともに、いじめ防止に向けた学級経営をしていきたいものです。